在留資格(ビザ)申請

就労系ビザ

就労系ビザとは

日本で働きながら在留をするためのビザです。
現在、就労が可能なビザは23種類ありますが、ここでは仕事の活動内容に応じて取得をするビザを就労系ビザと呼びます
就労系ビザは、原則として企業などに所属していることを基に発行されるビザのため、企業との契約内容や仕事内容が審査されます。所属企業を辞めたり、変更した場合には届出をする必要があり、場合によってはビザの変更をする必要があります。
また、風俗営業店での仕事は認められていません

主な就労系ビザ

就労系ビザには代表的なものとして以下のようなものがあります。

  • 技術・人文知識・国際業務  

  • 技能

  • 企業内転勤

  • 高度専門職

  • 経営管理

 

技術・人文知識・国際業務

日本の会社や公共団体など、日本にある事務所や事業所で仕事を行うためのビザです。
システムエンジニア、プログラマー、経理、金融、総合職、会計、コンサルタント、通訳や翻訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引業務、デザイン、商品開発など様々な職種があります。
一定水準以上の専門性のある業務に就く必要があり、単純労働を行うための取得はできません。
そのため、申請者の学歴や実務経験と 就職する企業で行う業務内容との関連性などが審査の要素になります。

技能

日本の会社や公共団体などで、日本では希少な熟練技能や外国に特有の産業分野に関連する仕事を行うためのビザです。
外国料理の調理師、外国様式の建築物の建築技術者、外国特有製品の製造・修理技能者、スポーツ指導者、宝石・貴金属・毛皮加工技能者などがあります。
日本で活動する業務内容が「産業上の特殊な分野」であるか、申請者が熟練した技能者であることなどが審査の要素になります。

企業内転勤
日本に本店、支店のある企業の社員が、海外の事業所から日本の本店、支店等に転勤する場合に取得するビザです。海外にある関連会社から日本の会社に出向する場合もこのビザになります。
①一定の転勤期間を定めた活動であること
②転勤した特定の事業所での活動であると
以上の条件以外は「技術・人文知識・国際業務」の活動内容と同等のビザです。
海外の事業所と日本の事業所との関係性、申請者の企業での勤務歴などが審査の要素になります。
経営・管理
日本で事業の経営、管理業務をする場合のビザです。
経営とは社長、取締役、監査役などの役員業務。管理とは部長、支店長、工場長など管理者としての業務のことを言います。活動を行う企業は申請者の出資している企業に限られず、日系企業での経営・管理活動も含まれます。
申請者と活動をする企業と契約関係。企業の存在や事業規模などが審査の要素になります。
活動をする会社が設立前でも、会社の設立がほぼ確実に見込まれる場合や会社の設立の準備のために在留期間4ヶ月の経営・管理ビザを取得することができます。

非就労系ビザ

非就労系ビザとは

一時的な滞在や、勉強などを目的として日本に在留をするためのビザです。
原則として在留中に仕事をすることはできません。
資格外活動許可を得ることで、定められた範囲内で仕事をすることも可能ですが、就労目的の滞在とみなされると重い罰が科されますので注意が必要です。

主な非就労系ビザ

非就労系ビザには代表的なものとして以下のようなものがあります。

  • 留学  

  • 短期滞在

  • 家族滞在

 

留学

日本の大学などの学校で教育を受けるためのビザです。
4年3ヶ月を最長として入国管理局が決定します。留年などで在学期間が当初の予定を超える場合は、在留を認める理由があれば在留期間の更新がかのうです。
大学などを卒業して日本で就職活動を行う場合は、在留資格を「特定活動」に変更して一定の期間在留し続けることも可能です。

短期滞在

主に観光や娯楽などを目的とした短期間の滞在を行うためのビザです。
外国企業が日本で会議や商談などを行うときもこちらのビザになりますが、日本の企業から報酬をもらう活動は行えず、原則として資格外活動許可を取ることもできません。
ビザ免除国から短期滞在の目的で入国する場合にはビザを取得すること無く上陸申請を行えますが、定められた期間を超える在留であったり、ビザ免除国以外からの入国の場合は事前にビザを取得する必要があります。
短期間(90日以内)の滞在を想定されているビザであり、原則として更新はできません。

家族滞在
日本に在留している外国人の家族を日本に受け入れるためのビザです。日本に在留している外国人の家族としてのビザのため、本人が帰国する場合には家族滞在のビザも失効します。
ここで言う家族とは「扶養を受ける配偶者または子」と定められているため親の受け入れは想定されていません。また、日本で仕事をすることは原則としてできませんが、資格外活動の許可を取得すれば一定の条件の下で仕事をすることはできます。
日本に在留している外国人本人との家族関係や、扶養を行える生活費の有無などが審査されます。

身分系ビザ

身分系ビザとは

永住者や日本人の配偶者のように、一定の身分や地位を基に日本に在留をするためのビザです。
特に活動の範囲に制限はなく、職業の選択も自由に行えます。(違法なものを除く)
他のビザに比べて日本の在留する上で自由度が高い反面、偽装結婚などの不正取得などが多く発生したため、取得の際の審査が厳しくなっています。

主な身分系ビザ

身分系ビザには代表的なものとして以下のようなものがあります。

  • 日本人の配偶者等  

  • 永住者の配偶者等

  • 永住者

  • 定住者

 

日本人の配偶者等

日本人の配偶者等として在留をするビザです。
「配偶者等」とは次の身分・地位のことを言います。

  • 日本人の配偶者
  • 日本人の子(特別養子を含む)

ここでの配偶者は日本の法律で婚姻が成立していることが必要です。18歳未満の男女や同性婚など、他国の法律で婚姻が成立していても、こちらのビザは取得できません。
審査では、婚姻の信憑性や安定性などが調査されることがあります。

永住者の配偶者

永住者の配偶者等として在留をするビザです。
「配偶者等」とは次の身分・地位のことを言います。

  • 永住者の配偶者
  • 永住者の子(特別養子を含む)

上記の「永住者の子」は日本で生まれ、引き続き日本に在留している必要があります。
その他は「日本人の配偶者」とほぼ同様のビザです。

永住者
特別な理由によって日本に住むことが認められた場合に発行されるビザです。
「特別な理由」には様々なものがありますが、主な例として以下のようなものがあります。
  • 日本人の孫(日系3世)
  • 日本人(永住者)の配偶者等」のビザを持つ日本人(永住者)の子の配偶者
  • 日本人(永住者)の配偶者等」のビザを持つ者で、日本人(永住者)と離婚・死別した者
  • 日本人(永住者)の扶養を受ける6歳未満の者
  • 日本人の実子を監護・養育している者
  • 日本人の実子を監護・養育している者
定住者として在留するための「特別な理由」や素行などが審査の要素となります。

手続きの種類

海外で採用した外国人を日本に呼び寄せる場合や、すでに日本に在留している外国人がビザを変更・更新するときなどは入国管理局に対し各種の申請手続きが必要です。

在留資格認定証明書交付申請

ビザは本来、入国前に在外日本公館で申請し取得するものですが、就労目的等で長期在留するためのビザを申請する場合、在外日本公館では審査に時間がかかる場合があります。
しかし、事前に日本の入国管理局に申請し、条件に適合すると認められた「在留資格認定証明書」が交付されれば、この「在留資格認定証明書」を在外日本公館に提示することで、スムーズにビザの発給を受けられます。
なお、「短期滞在」ビザは、在留資格認定証明書交付の対象とされていません。

在留資格変更許可申請

取得しているビザで認められた範囲以外の活動を行おうとする場合には、行おうとする活動内容に応じたビザに変更する必要があります。
ビザ変更許可前に、現に有しているビザで認められた範囲以外の活動を行うと不法就労となるので注意が必要です。
在留資格の変更事由が確定した時点で申請手続きを行わなければなりません。

在留期間更新許可申請
定められた在留期間の満了後も引き続き在留しようとする場合には、在留期間の更新が必要です。
在留期間を超えて滞在すると不法残留となります。
なお、在留期間満了日までに申請が受理されていれば、審査中に在留期間が経過しても、審査結果が出るとき又は在留期間満了日から2月を経過する日のいずれか早い日までの間(特例期間)は、適法に在留することができます。
資格外活動許可申請
資格外活動許可は、ビザで認められた範囲以外の活動を認めるもので、許可を得ないで在留資格外の仕事をすると不法就労となります。
日本に在留する外国人は、ビザで許可された範囲の活動は認められていますが、許可された範囲以外の活動をすることは認められておらず、在留資格「家族滞在」「留学」などのビザの外国人は、そもそも仕事することが認められていません。
資格外活動の許可を受けた場合は「資格外活動許可書」が交付され、許可書には許可された活動内容、活動できる期間が明記され、その記載された範囲内で収益活動をすることができます。
再入国許可申請
在留外国人は、再び入国する意思を持って日本を出国する場合「再入国許可」を受ける必要があり、定められた期間内に再入国しなければなりません。
出国前にこの「再入国許可」を受けていなかった場合、日本を出国してしまうと、在留期間内であっても再入国ができなくなります。
ただし、一部対象外の外国人を除き、「中長期在留者」が有効なパスポートと在留カードを所持し、出国時に入国審査官に対して、「みなし再入国許可」による出国を希望する旨の意図を表明して出国する場合、事前に「再入国許可」を受ける必要がなくなります。
就労資格証明書交付申請
「就労資格証明書」は、在留する外国人の就労を援助するもので、外国人が特定の職に就くことができることを証明する文書です。
就労する外国人は必ずしも「就労資格証明書」を持っていなければならない訳ではないですが、他企業へ転職する場合等には「就労資格証明書」を持っていた方が雇用する側は安心して受入れられます。
また、ビザ変更を要しない転職をした場合「就労資格証明書」の交付を受けておけば、あらかじめ在留資格に該当する業務であるかどうか審査することになるので、在留期間更新のとき、不許可処分となるリスクを回避でき、スムーズに更新が許可されます。